腹腔鏡手術は、体に数ヶ所小さな穴をあけ、そこからおなかの中(腹腔)にカメラと手術器具を入れ、モニターを見ながら行う手術です。「傷が小さく痛みが少ない」、「開腹手術と比較して回復が早い」、「術後の癒着が少ない」など、患者さまにとってはメリットが大きな手術方法で近年急速に普及しています。当院でも症例数、対象疾患とも増加してきており多くの分野で標準術式となっております。 しかし、高度な技術を要するうえに使用する機器も多く、医師以外のスタッフにも専門性が求められる手術です。炭酸ガスの注入や、腹腔鏡モニターによる視野確保など、特殊な環境下での手術になるため、手術手技・介助、術中・術後管理も、従来の手術とは異なる点があります。そこで手術に関与するスタッフ全員が腹腔鏡手術に精通してどのようなことにも対応できるようセンター全体で協力して治療にあたっています。このことは手術手技の習熟を早め、良質な機材の確保も可能となり、より安全で質の高い医療につながると考えています。
腹腔鏡手術の長所
- 手術の傷が小さく、目立たない。
- 術野を拡大してみることができ、より繊細で適切な手術が可能。
- 術後の痛みが少なく、手術翌日からの歩行も可能。
- 腸管蠕動の回復が早く、食事開始が早い。
- 肺炎などの術後合併症が少ない。
- 入院期間が短く、社会復帰が早い。
- 術後の腸管の癒着が少ない。